建設業界における社会保険

現在、建設業者における雇用保険や健康保険・厚生年金(以下「社会保険等」)の未加入率については、下請企業になるほど加入割合が低い結果となっています。

社会保険等は、労働力を提供する労働者に対し、病死やケガ、失業などで生活に不安を与えない事や、老齢になってから生活に心配を与えないためのものです。そのため、社会保険等の未加入が、建設業界の若年入職者減少の原因となっていると考えられています。また、法令を遵守して適正に社会保険等を負担する事業者ほど競争上不利になるという矛盾した状況も生じています。

このような事態を受け、国土交通省では、建設業の社会保険等未加入問題について取り組みを進めており、建設産業の持続的発展のため、行政・発注者・元請企業・下請企業・建設労働者等の関係者が一体となって対策を進めることで、平成29年度までに保険加入率を企業単位で100%、労働者単位で製造業相当(雇用保険92.6%、厚生年金保険87.1%程度)とすることをめざしています。

その一環として、様々な各種取り組みがスタートしています。

許可行政庁が、建設業法に基づく許可(許可の更新を含む。)の申請時に、保険加入状況の確認、指導等を行うため、許可申請書に保険状況加入を記載した書面の添付が求め、未加入業務者は建設業許可や更新が受けれない可能性も出てきます。建設業許可部局から指導が行われ、最終的には建設業法の監督処分もありえます。

また、経審における評価も、未加入事業者に対し厳しくなっており、保険未加入の場合、減点幅が拡大され、雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の各項目について、未加入の場合それぞれ40点の減点、3保険に未加入の場合、合計120点の減点となり、企業の評価が低いものになってしまいます。

さらには、入札の参加資格として、保険加入を求める発注者もあり、受注に影響が出る可能性も出てきます。また、元請業者が下請に仕事を依頼する際にも、社会保険加入を要件にしている場合もあるなど、そもそも仕事の受注ができなくなる可能性も出てきます。

建設業界の社会保険に対する関心は強いものとなっています。

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